【批評掲載】「音楽の友」2017年1月号

東京シティ･フィルハーモニック管弦楽団定期演奏会（第301回）
11月6日・東京オペラシティ■下野竜也（指揮）、菊池洋子（ピアノ）■モーツァルト「ピアノ協奏曲第25番」、ベルリオーズ《幻想交響曲》
第300回記念定期のベルリオーズ《ファウストの劫罰》に続く同作曲家の第2弾として《幻想交響曲》を取り上げた第301回定期。……後半の《幻想交響曲》は、下野の炯眼による分析で音楽の見通しがじつによい。作品をしっかりと見据え、内容を細やかに読み解く情報量の多い演奏といえた。そして、時として表現の拡がりに目を向けた広い角度をカヴァーするダイナミクスの起伏も鮮明。取り分け第5楽章は、おどろおどろしく、狂乱のフィナーレも鬼気迫るほどの気魄に満ち圧巻であった。〈高山直也〉
「音楽の友」2017年1月号より